セメントベントナイト等のセメント系充填材を早く固化させるために、急結剤として珪酸ソーダを用いることは広く知られています。その急結作用について、珪酸ソーダの種類や混合方法による特性をご紹介します。
セメント系充填材に珪酸ソーダを混合することにより、「ゲルタイムの付与(充填材の逸走防止)」、「早期強度の発現」という機能を付与することができます。
A液(1,000L) | B液 | ゲルタイム | 即時強度 | ||
セメント | ベントナイト | 水 | 珪酸ソーダ | (20℃) | (1時間) |
300㎏ | 60㎏ | 残り | 50~100L | 5~15秒 | 0.1N/㎜² |
上記の配合は一例となりますが、珪酸ソーダの種類や添加量などの条件を変化させることにより、次の表のように特性が変化します。
初期強度 | ゲルタイム | 初期強度 | ゲルタイム | ||||
珪酸ソーダ添加量 | 弱い | 短い | 少ない | ⇔ | 多い | 強い | 長い |
珪酸ソーダ濃度 | 弱い | 長い | 薄い | ⇔ | 濃い | 強い | 短い |
珪酸ソーダのモル比 | 弱い | 長い | 低い | ⇔ | 高い | 強い | 短い |
A液、B液の混合比率 | 強い | 短い | 比例 | ⇔ | 等量 | 弱い | 長い |
充填材の目標物性を考慮し、珪酸ソーダの種類や添加量などの条件を変化させ、求める材料特性に近づけていくことができます。