特殊な性質と取り扱いやすさ それが珪酸ソーダ(水ガラス)の用途をますます広げています。
珪酸ソーダ(水ガラス)は水と任意の割合で混合でき、モル比の調整も可能であるため、目的の物性や特性に見合ったSiO2濃度とNa2O濃度に調整することができます。
珪酸ソーダ(水ガラス)溶液中のSiO2濃度とNa2O濃度の概略値は、図4に示した比重とモル比の関係図から求めることができます。
珪酸ソーダ(水ガラス)の比重は通常15℃におけるボーメ度(Be’)で表し、液温t℃におけるBe’値を換算式①に代入することで、Be’(15℃)を求めることができます。
換算式①
Be’(15℃)≒Be’+0.04(t℃-15℃)
また、Be’は比重に換算することができ、Be’(15℃)の値から20℃の比重を求めたい場合には以下の手順で換算することができます。
換算式②
Be’(20℃)≒Be’(15℃)+0.04(15℃-20℃)
≒Be’(15℃)-0.2
換算式③
比重(20℃)≒144.3/(144.3-Be’(20℃))
珪酸ソーダ(水ガラス)はアルカリ性の溶液で、pH値はNa2O濃度とモル比によって変化します。(図5.珪酸ソーダのpH(20℃)を参照)
また、同じNa2O濃度であってもモル比が高い珪酸ソーダほどpH値は低くなる傾向を示します。これはSiO2の緩衝作用によるもので珪酸ソーダ(水ガラス)の特徴の一つです。
珪酸ソーダ(水ガラス)の粘度は、比重(濃度)、モル比、温度によって著しく変化します。
図6に示した粘度と比重の関係図、図7に示した粘度と温度の関係図において、珪酸ソーダ(水ガラス)の粘度は以下の傾向を示します。
珪酸ソーダ(水ガラス)の氷結点は水より低く、モル比や比重によって異なります。3号珪酸ソーダの氷結点は-3~-5℃程度ですが、1号珪酸ソーダ相当品では比重が著しく高いため-7~-9℃になっても氷結せず粘性が増大するだけです。珪酸ソーダの氷結の形状は斜方結晶で、温めると元の溶液に戻ります。
現在市販されている珪酸ソーダ(水ガラス)の比熱は、0.7~0.9Kcal/kg(25℃)程度で、以下の傾向を示します。