特殊な性質と機能 それが珪酸ソーダ(けい酸ナトリウム/水ガラス)の用途をますます広げています。
さまざまなニーズに応えるため、当社スタッフがサポートさせていただきます。
珪酸ソーダ(けい酸ナトリウム/水ガラス)は中世からすでに知られていましたが、その性質を本格的に研究・応用したのは1820年代頃、ヨハン・ネポムック・ボンフックが最初と言われています。一般的に呼ばれる「水ガラス」の名称も彼が初めて使っています。珪酸ソーダは古くから石鹸の添加剤として使用された原料で、1920年代以降は段ボールの中心原紙とライナーの接着に大量に利用され、さらに近年は特性が詳しく解明され、用途も飛躍的に広がっています。
地殻中で酸素を除いて最も多く、自然界にたくさん存在する元素
ケイ素(Si)が珪酸ソーダの主成分です。
珪酸ソーダは、二酸化珪素(SiO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、水(H2O)の3成分が混ざり合った粘性のあるアルカリ性の液体です。「水ガラス」とも呼ばれ、各成分の割合によって特性が異なります。
珪酸ソーダ(水ガラス)は、下記の図1に示したNa2O-SiO2-H2Oの3成分系の領域図において、⑨の領域で得られます。
上記図1における、①〜⑪の状態は下記のとおりです。
珪酸ソーダ(水ガラス)の製造方法には乾式法(熔融法)と湿式法があります。当社では乾式法を用いて製造しています。
珪酸ソーダ(水ガラス)は単一構造ではなく、さまざまな基本構成からなるケイ素(Si)が混在した構造体です。
また、各基本構成の混在比は珪酸ソーダの種類によって異なります。
図3に示した29Si-NMRスペクトルの各シグナルは、SiがOを介して結合しているSiの数を表しており、Siが結合していない部分にはNaまたはHが結合しています。
珪酸ソーダの特性は、SiO2、Na2Oの割合によって異なり、SiO2/Na2Oのモル比によって分類されます。
珪酸ソーダは一般的にNa2O・nSiO2・mH2Oの組成式で表され、係数nはSiO2/Na2Oのモル比を示します。
SiO2、Na2Oの重量比とモル比の関係は次の式で示されます。
モル比=重量比(SiO2 wt% / Na2O wt%)×(Na2Oの分子量 / SiO2の分子量)
=重量比(SiO2 wt% / Na2O wt%)×1.032
当社では、SiO2、Na2O、H2Oの割合を調整することで、モル比0.5~4の範囲で珪酸ソーダ溶液を生産し、販売しています。表1に代表的な当社製品の仕様例を示します。