特異な化学変化 それが珪酸ソーダ(水ガラス)の機能をますます広げています。
珪酸ソーダ(水ガラス)は酸、無機塩類、有機化合物、炭酸ガスなどと反応し、固化(ゲル化)します。
珪酸ソーダ(水ガラス)は、珪酸より強い全ての酸との反応によってpH値が変化し珪酸を遊離します。
遊離した珪酸は、珪酸同士の脱水と重合が進行し、ただちに粒状に沈殿する場合や数分~数日かけて寒天状に固まる場合など、さまざまな速度で「珪酸ゲル」を生成します。図8に珪酸ソーダと酸の反応イメージを示します。
珪酸ゲルの生成速度(ゲルタイム)は、珪酸ソーダと酸の混合液におけるSiO2濃度やpH値によって著しく変化します。
図9から、珪酸ゲルの生成速度(ゲルタイム)には以下の傾向があります。
珪酸ソーダ(水ガラス)は、Ca、Mg、Al、Baなどの無機塩類と反応して、不溶性の珪酸塩金属水和物や珪酸などを同時に生成してゲル化します。
例)水酸カルシウムとの反応
Na2O・nSiO2・mH2O + Ca(OH)2
→ CaO・nSiO2・2NaOH・mH2O
(一部、SiO2になります)
このような反応で得られる珪酸化合物は、珪酸と金属イオンの存在量に応じてさまざまな特性を示します。
多価アルコール(グリオキザールなど)や酢酸エステルは、ともにアルカリ存在下で酸を生成するため、珪酸ソーダとの反応により「珪酸ゲル」を生成します。
例)グリオキザールとの反応
(CHO)2 + H2O → CH2OH・COOH
(グリオキザールがグリコール酸になります。)
Na2O・nSiO2・mH2O + 2CH2OH・COOH → nSiO2 + 2CH2OH・COONa + (m+1)H2O
珪酸ソーダ(水ガラス)に炭酸ガス(CO2)を吹き込むことで、下記反応により「珪酸ゲル」を生成します。珪酸ソーダの水分を吸収する砂などとともに反応を進行させることで飛躍的に硬度が上がります。
Na2O・nSiO2・mH2O + CO2→ nSiO2 + Na2CO3 + mH2O